突如苦悶の表情を浮かべながら
学生服を脱いでいく石田賢太。
「何考えてんだいっちゃん!!
 何でコイツなんかの言うこと聞くんだよ!」
川上が叫ぶ。
「おい!何考えてんだよてめぇ!!」
斉藤が僕の胸倉を掴み殴ろうとした。
「うるせぇ!黙れ!!」
僕は斉藤の手を払いのけた。
自分でも驚くほどの野太く大きな声に、
昼休みの教室はしーんと静まり返った。
斉藤が驚いた目で僕を見る。
「うぜぇんだよ!子分は引っ込んでろ!!」
僕が吐き捨てると、
「何だとぉ!」
子分と言われてしまった奴のプライドもあるのか、
再度斉藤は凄い形相で僕に迫ってきた。
僕は胸倉を掴まれつつも、斉藤を睨みつけると、
「言って分からないんじゃしょうがないな。
 お前自分のスマホを見てみろよ。俺からのメールが届いてっから」
斉藤は僕の未だかつてない自信に満ちた表情と、
服を脱いでいく石田の行動を見て不安に思ったのだろう。
ポケットからスマホを取り出しメールを確認した。
「!」
スマホを見つめて斉藤が固まった。
それも無理はないだろう。
だってそれは斉藤が相田美紀の体操服を嗅ぎながら
オナニーしている動画だったからだ。
「う…嘘だ…何で…」
斉藤は動揺を隠せずに僕の方を見ると二、三歩後ずさりした。
「どうした?」
川上が斉藤のスマホを覗き込もうとする。
「いや、何でもないっ」
斉藤は慌てた声でスマホをポケットに隠した。
「おい川上ィ!お前にも俺から素敵なメール送ってるから見てみろよ」
僕の挑発に弾かれるように、
川上は慌ててスマホを取り出すとメールを確認し、そして固まった。
川上にはゲイビデオを見ながらフィニッシュしている動画を送ってやった。
そして彼らを黙らせるにはもうそれだけで十分だった。
「もう分かったよね?じゃ君たち子分も全裸になってもらおうかな」
「ち…畜生ッ…」
斉藤が唸るように声を絞り出しゆっくりと学生服を脱ぎ始めた。
「なんで…なんで…なんでなんだ……」
事情が飲み込めず半ばパニックになっている川上は
その場に突っ立ったまま真っ赤な顔で僕を見つめた。
「いいから早く脱ぎなよ」
僕は川上の耳元に寄ると、
小さな声で昨日川上が見ていたゲイビデオのタイトルを呟いた。
川上は怯えた目で僕を見ると、急いで学生服を脱ぎだした。
「あ!ひっさしぶりじゃ…」
その時石田とつるんでいるあのケバい女子二人が教室に入ってきた。
そして今まさに服を脱いでいる三人の姿を見つけると
あっけにとられた表情をしてその場に固まった。
「え…え!?え!?何これ!何!?何で??」
「どうしてなの?何なのコレ!!」
いつも服を脱いでいるはずの僕が服を着て、
服を着てるはずの三人が服を脱いでいる。
逆転したその光景をすぐには理解できないのも無理はない。
キャーキャー喚く二人の高い声が僕の癇に障った。
「うっせーブスども!!黙って見てろ!!」
もう僕には怖いものなどなかった。
今まで散々僕をバカにしてきたこの二人の女子。
僕は彼女たちの前に進むと大声で言い放った。
「化粧しなけりゃすっげーブスなくせにいい気になってんじゃねーよ!
 てめーらみてーなメス豚が一番嫌いなんだよ!!!」
彼女たちは驚いた目で僕を見、そしてその視線を三人に移した。
明らかに異常な状態に今は反抗してはいけないのだと悟ったらしい。
二人は何も言わず後ずさると教室の扉にもたれかかった。
三人はついに下着一枚の姿で教室前に並べられた。
「もちろん。それも脱がないと」
僕はニヤッと笑いながら言った。
「か…勘弁してください…」
石田が小さい声で俯きながら言った。
もうさっきまでのあの眼光鋭い石田はそこにはいなかった。
それは僕が散々スマホで覗いた、寝小便直後の石田の姿だった。
僕が石田に何か言おうとしたとき、教室の後ろから声が聞こえた。
「何言ってんだ!今まで散々酷いことしてきたくせによ」
クラスメイトの誰かが放った言葉だった。
そう。このクラス誰もこの三人に味方する者などいなかったのだ。
「そうだ!」
「脱げよ!!」
「ぬ~げっ!ぬ~げっ!!」
一体どうしてこんな展開になってしまったのか誰も分からないが、
この際日頃の鬱憤を晴らしたいと誰もが思ったのだろう。
最後はクラス全員で脱げコールが起こった。
まずトランクスを脱いだのは斉藤だった。
ポロンと大き目の皮被りチンコが現れる。
とたんにクラス中は湧き上がった。
「きったね~」
「おえっ!!」
「臭そう…」
いろんな声が教室内を飛び交う。斉藤は黙って俯くしかなかった。
次に川上がトランクスを脱ぐ。
川上のチンコはかなり大きかった。
というより高校生とは思えないほど赤黒かった。
毎日のようにゲイビデオ見ながらシコってるせいなのか。
「うわ…きんも~」
「何かやけに黒くない?」
「グロいな~」
教室内に失笑が広がりそれとともにボルテージはどんどん高まっていく。
最後に残された石田。
石田だけは金持ちらしくお洒落なボクサーブリーフだったが、
彼はなかなかそれを脱ごうとしなかった。
「何してんだよ。早くしろよ」
僕はそう言うと再度石田に向かって
『ね・しょ・ん・べ・ん』と声を出さず呟いてみた。
それはまるで魔法の言葉のように石田を突き動かす。
よっぽど知られたくない最重要機密事項なんだろう。
僕は心底馬鹿にした笑いを浮かべながら石田がボクブリを脱ぐのを見ていた。
半分までずり降ろすと、チンコが見えないよう両手を股間に当て、
両足だけでボクブリを器用にずらして脱いだ。
「手!手どけろよ!!」
すかさず野次が飛ぶ。
それでも石田は手をどけようとしない。
「それだけは…勘弁してください…」
僕に向かって汗をかきかき懇願する石田。
180cmもある体躯がやけにちっちゃく見えた。
「僕は勘弁してやってもいいけど…皆はどうかなぁ?」
僕は教室の後ろを振り返った。
「勘弁するわけねーだろ!!」
「早くチンコ見せろよ!」
口々に怒号が飛ぶ。
「どうやらダメみたいだよ。いしだけんたちゃん!」
僕は石田の方を向き思いっきり茶化した声で言った。
そして今度は
『春日こどもクリニック~♪』
と小さく声に出して言ってみた。
その瞬間石田の顔が歪む。
石田は下を向き、うぅ…うぅ…と唸り声の混じった
荒い息を吐きながら両手を静かにどけた。
クラス中の視線が石田の股間に集まった。