「うぐ!」
福田が声を発した。
皆の視線が彼の顔に注がれる。
「あ!」
誰かがまた福田の股間を指差した。
さっきの小便スポットの場所から少し下に
もう一つシミが現れたのである。
それは以前よりも少し大きなシミを作ったが
それ以上は拡がらなかった。
おお!
小さい声で盛り上がる参加者たち。
「必死に我慢しているのかもしれませんね!」
吉岡が言った。
「表情といい股間のシミといい…
 こんなにもエロいとはな…」
武井は興奮を隠しきれないようだった。
「決壊は近いぞ!」
矢部も身体を乗り出してきた。
そして…
福田が一層苦悶の顔を浮かべたかと思うと
彼のスウェットの下から
ジョロジョロォォォオォオオォォォォ~という
けたたましい音が響いてきた。
そし大小二つあったスウェットの小便スポットが
一つにつながり、さらに黒いシミが股間を侵食する。
そしてスウェットでは吸収しきれなくなった小便が
真っ白なシーツを汚していった。
「ああ!!」
「すげぇ!!」
「これが…瞬間かぁ…」
「めっちゃエロい…」
参加者から口々に溜息が漏れる。
「顔見てください!こんなにも気持ちよさそうな顔に…」
吉岡の言葉に皆が視線を向けると、
福田の顔からは苦悶の表情は消え、
安らかな寝顔に変わっていた。
まだまだ小便を出し続ける福田。
世界地図は彼の尻を中心に放射状に大きく広がっていく。
「す…すげぇ…まだ終わらない…」
「布団から溢れてしまうんじゃ…」
「こんなに濡れても気づかないってことなんてあるのか?」
皆が感想を口走る。
福田は20秒以上小便を出し続け、やっとそれは止まった。
そしてアンモニアの濃い臭いが部屋に充満し始めた。
「もう…俺我慢できねぇ…」
武井は座ったままジーンズのチャックを開けると
チンコを取り出し扱き始めた。
「お…俺も…」
他の参加者もズボンと下着をずり下げ、
同じように扱き始める。
特大のオネショ布団の上で安らかな寝息を立てる福田を囲んで
9人の男たちが一斉にチンコを扱く姿は異様だった。
フェチにはあまりにも刺激過ぎる光景なのか
皆扱き出してすぐにフィニッシュを迎えた。
「うっ!」
「あっ!!」
大広間に小さく呻き声が響く。
暫く時間を置いてアンモニアの臭いに精液の臭いが混じっていく…
「一旦…起こしましょうか…」
チンコをティッシュで拭き、息を整えながら吉岡が言った。
「そうですね…このまま朝まで寝かせるのも気の毒ですし…」
同じく息の上がった矢部が言った。
「私、新しい布団をとってきます」
矢部はそう言うと大広間を出て行った。
「起こしてあげた方がいいんじゃないですか?」
武井が言った。
「そうですね。このまま朝までというのはちょっとかわいそうだし…」
吉岡はそう言うと福田を揺り起こした。
う…うん…
言葉にならない声をあげて福田が目を擦る。
彼は最初何のことか分からないような顔をして
天井を見上げたまま固まっていたが、
すぐに股間の異変に気づいたのかがばっと起き上がった。
そして参加者たちと目を合わせ、やっと状況を理解したようだった。
「あ…あぁ…」
福田は顔を真っ赤に染めて俯いた。
「福田君。とりあえず着替えよう。着替えは持ってきてるか?」
吉岡が聞く。
「いえ…」
オネショ布団の上に座ったままで福田が答える。
その時矢部が布団を持って入ってきた。
「おぉ…福田君。起きましたか」
「矢部さん。下着をお借りすることはできますか?」
吉岡が聞いた。
「あぁ…まぁ私のでもよければありますよ」
「あのう…」
誰かが手を上げた。皆が振り向く。
「何でしょう?板橋さん」
板橋と呼ばれた30代くらいの細身の男はおずおずと何かを差し出した。
「もし…もしよかったらこれを穿いてもらいたいんです」
それは白ブリーフだった。
「おぉ…何だかエロいな…」
「男子高校生の白ブリかぁ…今時見れないよな」
「やば…また勃ってきた…」
参加者から次々と声があがる。
「できたら上は穿かずにブリーフだけで寝て欲しいなと…」
板橋は言いにくそうに言った。
「あ!いいアイディアかも!」
武井が嬉しそうに言った。
「福田君、これだけで構わないですか?」
吉岡の言葉に福田は半分寝ぼけた顔で
「はい」
と答えた。
その後シャワーを浴びた福田は純白のブリーフに着替え、
新しい布団に新しく敷かれたシーツの上でまた眠りについた。
「半分寝てましたね…」
福田の寝顔を見て矢部が言った。
「多分明日の朝『俺いつの間にかブリーフ穿いてる…』とか
 思うのかもしれませんね…」
吉岡はそう言って少し笑った。
「やっぱりこの眠りの深さがオネショが治らない原因なのかも
 しれませんね…」
先ほどブリーフを提供した板橋がしみじみと言った。
「高橋君の方はどうですか?」
吉岡の声に武井が覗き込んだ。
「全く起きることなく眠ってます」
武井が答えた。
「結構ドタバタしたのにねぇ…それでも眠りから覚めない…
 ある意味羨ましい気もしますなぁ…
 ワシくらいの歳になると嫌でもすぐに目が覚める…」
「小森さんはいくつですか?」
「62です。多分この中では最年長ですよ」
小森と呼ばれた禿げ上がった老人は吉岡の問いに答えた。
「次は…高橋くんだな…頭いいヤツのオネショって萌えるんだよな~」
武井が舌なめずりをした。
高橋くんが朝型の夜尿症だったらまだまだ待ち時間長そうですね」
矢部が壁の時計を見て言った。
時刻は午前2時10分を指していた。