真夜中の世界地図

男のオネショ小説

カテゴリ:小説 > 逆転

膀胱のエコー検査を終え、再び診察室に戻った石田。
母親に「どうだった?」と聞かれるも無言でまた丸椅子に座る。
暫く経って春日が診察室に戻ってきた。
「昼間はどうだ?オシッコは近い方かな?」
春日はデスクの椅子に座ると石田の目を見て話しかけた。
「…まぁ…近い…です」
石田がボソッと言った。
「エコーの結果なんだが賢太くん、君の膀胱はやはり小さいようだ」
「小さいというと?」
母親が聞き返す。
「一般の高校生と比べて膀胱がかなり小さいんです。
 賢太くんの場合たぶん5~6歳程度の膀胱容量しかないでしょう。
 だからオシッコをあまり貯めることができない。
 昼間のトイレが近いのもそのせいです」
ぷぷっ!と僕は思わず吹き出してしまった。
5~6歳って…幼稚園児じゃん!
見た目は高校生、いや大人でも通用するのに
下半身は幼稚園児のまま成長してないなんて。
だけど確かになぁ…と僕は思い返していた。
あの3人と一緒にいる時トイレの回数が多いのはダントツで石田だった。
以前ゲームセンターでなかなかトイレが空かなくて
股間を押えつつイライラしながらゲームをしていたことがあった。
そんなとき大抵トイレの空きを確認しに行かされるのは僕だった。
「膀胱が小さい上にオシッコの量が多い。
 こういうのは混合型といって賢太くんの年齢を考えると
 かなり重度の夜尿症だといえます」
「重度…」
母親が困惑した表情を見せた。
「来年すぐに学校のスキー合宿があるんですが、
 それには間に合いませんか?」
母親が続けた言葉に春日は腕組みをしてから言った。
「うーーん…これくらい重度の夜尿症となると
 たった2、3ヶ月で完治させるのはかなり難しいんですよ。
 一時的に薬を処方して対処してみますが」
「オレ別にそんなの行かねーし」
石田が俯いたまま言った。
「今までの旅行はどうしてたのかな?」
春日が石田の方を見て言った。
「全て欠席させてます」
母親が言った。
「小学校から?」
春日が聞き返す。
「はい。修学旅行も林間学校も。
 当時は毎日どころか1日に2回おねしょする日もあったので…」
1日に2回…そんなにやっちゃうヤツもいるのか…ほんとに重症だな…
僕も小学校3年まで寝小便はしていたが、さすがに1日に2回はなかった。
「そうか…そりゃ辛かったな。賢太くん。
 もう少し早く治療に取りかかりたかったなぁ…」
春日は石田の肩に手をやって言った。
石田は何も答えず、ただ俯いたままじっと動かなかった。
「やっぱり遺伝も多少はあるのかもしれないな」
「遺伝…って?」
春日の言葉に初めて石田が顔を上げた。
「君のお父さんだ。固く口止めされてたんだが、実は彼も夜尿症だったんだよ」
「え?どういうことですか?」
母親が聞き返した。
「彼は…僕と同じクラスの同級生だった」
「え?」
石田も思わず聞き返す。
「だって春日先生にツテのある知り合いがいるからって…」
石田の言葉に春日は笑って答えた。
「ははは。そうか、そんなこと言ってたか。
 石田大輔君は僕の中学時代からの友達でね、かなり仲よかった。
 高校の修学旅行の最終日、彼とあと一人の三人部屋だったんだが、
 彼はそこでオネショをしてしまったんだ」
「はぁ…」
石田が驚いた顔をした。
「泣きじゃくる彼をとりあえずなだめて、僕ともう一人の友達とで
 片付けとか先生への報告とか手伝ったのさ。
 もちろんこのことは三人だけの秘密だということにした。
 後から聞けば実は彼は夜尿症で、
 当時もほぼ毎日オネショをしていたらしい。
 修学旅行も行きたくはなかったけど、
 多感な年頃だし先生にどうしても相談できず、
 結局十分な対策も取れないまま参加したって話してた」
「親父が…」
石田が思わず呟いた。
「僕は高校生でもオネショに悩む人がいるってことに正直その時は驚いた。
 その後医学部に進学して何科に進もうか決めるときに、
 石田君のことを思い出したんだ。
 彼のように夜尿症で苦しんでいる人の助けになれたらって思ってね。
 だから今私がここで夜尿症の治療をしているのは彼の影響なんだよ」
「そんなの…知らねーよ…
 てゆかオレの…オレのおねしょは親父のせいなんじゃねーかよ!」
石田は顔を赤くして立ち上がった。
「賢太!」
母親が石田を嗜めた。
「賢太くん。正直夜尿症が遺伝するのかどうかは本当のことは分かっていない。
 ただ両親に遅くまで夜尿がある子供は夜尿の治りが遅い傾向があるって
 ことだけなんだ。君の親を責めてはダメだよ」
「…」
「それに…今はお父さんはオネショはしてないんだろう?」
「…」
「正直なところ新婚の頃2,3回ありました…
 でも賢太が生まれてからは一度もありません」
母親が代わりに答えた。
「ほら。君のお父さんは何らかの治療を受けたわけではないけど自然治癒している。
 君だっていずれ夜尿は治るよ。治療を受ければもっと早く治る。
 だからしばらくここに通って根気よく夜尿を治さないか?」
春日は優しく問いかけた。
あの品のある石田の親父も夜尿症に悩んでたなんてなぁ…
しかも新婚の頃って大人になってもやらかしてたってことかぁ…
僕は驚きを隠せなかった。
「君のお父さんは少なからず君に対して済まないと思っているようだよ。
 この前久しぶりに飲んだとき寂しそうに言ってたんだ。
 『オレの寝小便が遺伝してしまった。できるなら代わってやりたい』って。
 もちろん私は君のせいじゃないと言ったがね。
 もっとお父さんと話をしてみればいいんじゃないのかな。
 彼はオネショしたときの不快感とか辛さ悲しさすべて共感してくれるはずだ。
 君も年頃だし言いにくいとは思うがきっと通じる部分はあるはずだよ。
 なんたって親子なんだから」
母親の目が少し潤んでいた。
石田はうなだれたまま春日の話を頭の上から聞いていた。
暫くの沈黙の後、
「分かったよ…」
と石田は呟くように言った。
「そうか!ありがとう。お父さんも喜ぶと思う。
 私もできる限りの協力はする。一緒に夜尿症を克服しよう」
春日は嬉しそうに言うと石田の肩をがしっと掴んだ。
石田の父親は春日孝という良い友達に恵まれていた。
それは石田の父親自身の人柄の良さにあるのだと思う。
だから修学旅行で寝小便をしても固く口止めしてくれたのだ。
でも石田賢太は違う。今まで尽くしてきた犯罪スレスレの悪事の数々。
修学旅行でもし寝小便したとしても誰も庇ってはくれまい。
それどころかきっとカーストの最底辺に落ちたまま這い上がれないだろう。
それは石田本人の業の深さだ。僕だって絶対に同情はしない。
ただこのまま石田が治療に賛同してクリニックに通い
もし寝小便が治ってしまったら僕には切るカードがなくなってしまう。
正直ここに来るのを妨害すべきだったかなと後悔した。
重度の夜尿症と言われていたからすぐに治ることはないだろうが、
早めにヤツをカーストの最下層に落とさないと今までの苦労が水の泡になる。
僕は首を一度縦に振り深く頷くと、アプリの電源をオフにした。

その日の夜。
僕はフリーメールアドレスを取得すると、
石田のアドレスに、今日の石田の診察中の写真を送ってみた。
机に向かって勉強していた石田は、
差出人不明のそのメールに怪訝そうな顔をしながらメールを開いた。
そして画像を見て固まった。
なぜならそこにはエコーを撮るために下半身裸になり
惨めな短小包茎チンコを晒した画像が添付されていたからだ。
石田の下半身辺りに『←短小包茎(笑)』というキャプションもついていた。
「何で…何で…」
目を丸くした石田は明らかに動揺していた。
スマホを持つ手が震えている。
僕はすかさず次のメールを送ってみた。
そこにはただ一言、
『重度の夜尿症w』
とだけ書いてやった。
それを読む石田の顔色がみるみる赤くなっていくのが画面越しにでも分かった。
『誰だお前』
石田から返信があった。
僕はそれには答えず次のメールを送った。
『5~6歳程度の膀胱www』
石田も今日の診察の内容が全て漏れていることを悟ったのだろう。
恐怖を感じたのか椅子に座ったまま後ずさった。
『幼稚園からやり直そうよ!』
と書いて送った次のメールは戻ってきた。
どうやらブロックしたらしい。
でもフリーメールなんてこのご時勢、いくらでも取得できる。
僕は新しいフリーメールアドレスを取得すると、しつこくメールを送った。
画面の中では再度差出人不明のアドレスから届いたメールに
固まる石田がいた。
少し怯えた目をしながらゆっくりとメールを開く石田。
『もしかして気づいてないのかもしれないけどお前結構教室でションベン臭いよ』
読んだ石田は思わず「嘘だ…」と呟いた。
『意外と皆気づいてるかもね。こいつ寝小便してるって』
立て続けに送ったメール。石田は差出人がクラスメイトの誰かだと知り、
若干強気でメールを返してきた。
『お前誰だよ ただじゃすまねぇぞ』
ふふ。威嚇しようとしてるのだろうが圧倒的に今は僕の方が有利だ。
なんたって僕にはたくさんの証拠画像があるのだから。
僕はさらに画像を添付してメールを送ってみた。
荒い息を吐きながらメールを開く石田。そして画面を見て再度固まった。
そこには昨日オムツを着けた石田の画像の下に
『ぼくは、ようちえんじのいしだけんたでちゅ』と書かれてあった。
うわぁぁぁ!!
石田は叫ぶとスマホを床に投げつけた。
床でバウンドして部屋の隅に飛んでいくスマホ。
『月曜からは必ず学校に来ること。
 じゃないとこの画像をクラスの皆にばらまくからね☆』
僕は最後にこのメールを送ると、ニヤっと笑ってメールアプリを閉じた。

⇒逆転⑬に続く

青い外車が颯爽と春日こどもクリニックの駐車場に入ってきた。
駐車場はほぼ満杯となっている。
かなり人気の医院であることがここからもよく分かる。
最初に降りてきたのは石田賢太だった。
石田は建物のファニーな外観を見て少し眉をひそめた。
こんな幼い子供対象の場所に足を踏み入れる場違いさを
肌で感じたのだろう。
エンジンが停まって石田の母親も降りてきた。
母親は渋い顔でその場に立ちすくむ石田を促すと、
二人はピンク色の建物の中に入っていった。

僕もすぐにその後を追う。
ストリートビューはここでもすんなり中に入れた。
石田は建物内に入ってさらに困惑の表情を見せた。
なぜならそこは患者で満杯だったが、
全員が幼児から小学校低学年くらいの子供とその親だったからだ。
賑やかに動き回る子供、母親に抱かれた子供、
そこはどこかの保育園のようにカオスな状態だったが、
そんな中で180cmもある石田の体躯はかなり目立ち、
全員の視線がサッと石田に向けられた。
「俺やっぱ帰る」
不快に感じたのだろう。石田が踵を返す。
「ちょっと待ちなさい!」
母親が小声で言い石田の服を引っ張る。
「俺完全に場違いじゃねーかよ!」
石田も小声で返した。その声には怒りがこもっていた。
「今日一日だけでしょ!我慢しなさい!!」
石田は苦虫を噛み潰したような表情で
スリッパに履き替え、待合室に足を踏み入れる。

診察は朝10時からだったが、混んでいるせいか時間になっても
石田はなかなか呼ばれなかった。
病院の隅の席で大股を広げて座り、
誰とも目を合わせたくないのか視線を下に落としている石田。
はしゃぐ子供の騒々しさにイラついているのか
彼の右足が小刻みに動いていた。
その時幼稚園くらいの女の子がとことこと石田の足元に駆け寄ってきた。
「ねぇ?お兄ちゃんもおねしょするのぉ?」
無邪気な顔で石田に話しかける女の子。
石田は何も答えずそっぽを向いた。
ここにいるのは決して夜尿症の患者ばかりではなかったが、
全国的に夜尿症治療で有名なクリニックだったし、
図体のでかい高校生がこの不釣合いな場所に居ることから、
この場に付き添いできている親の殆どは
石田が夜尿症治療でここに来ているのだと感じ取っていただろう。
風邪や熱であるならわざわざここに来る必要がないわけだし。
「ねぇ~お兄ちゃん~」
しつこく甘えた声で呼ぶ女の子を後ろから抱きかかえたのはその母親だった。
「えりちゃん!だめでしょ!!」
母親は女の子を嗜めると石田の方を向き
「ほんとにすみません…」
と会釈をしてその場を離れた。
「いいえ~」
と石田の母親が微笑んで後を見送る。
石田は憮然とした表情で腕を組んでいた。
「まだかよ」
彼のイライラは最高潮に達しようとしていた。
そのとき…
「石田さ~ん!石田賢太さ~~ん!!」
看護師がドアを開け石田の名を呼んだ。
またもや石田に待合室の視線が集中する。
「あ!おねしょのお兄ちゃんだ~」
先の女の子がまたもや無邪気に呼びかける。
「こら!やめなさい!!」
と女の子の母親が嗜める声が聞こえてくる。
石田は背中を向けたまま、母親とともに診察室へと消えていった。
いったいどんな顔をしてたのか後姿からは分からなかったが、
幼児に『おねしょのお兄ちゃん』と呼ばれ、きっと怒り沸騰してたに違いない。
すかさずアプリも診察室の中に入っていく。
「どうも。石田賢太くんだね!」
春日孝が振り返った。ネットの写真で見たよりも若干太って見えた。
「おお。大きいなぁ」
座ったままの春日が立ちすくむ石田を下から見上げる。
石田は前に差し出された丸椅子に腰掛けると春日と対峙した。
母親も石田の後ろに腰掛ける。
「じゃあ早速状態について聞かせてもらいましょうか」
春日はそう言うとカルテに目を落とした。
「最近は週何回くらいかな」
「…」
石田は答えない。後ろから母親が石田の腰を突いた。
「週2回」
促されぶっきらぼうに答える。それに母親が反応した。
「何言ってるの。ほぼ毎日じゃないの…」
僕はその母親のツッコミに思わず噴出した。
高校生にもなって毎日寝小便してますなんて言うのは
いくら医者相手でも恥ずかしいに違いない。
石田は顔を真っ赤にして俯いた。
「ははは。恥ずかしいのは分かるけど正確に診断したいから
 正直に答えてくれると助かるな」
春日は微笑んで言った。
「週2回だったらこっちも洗濯がどんなに楽か…」
母親が愚痴った。石田は振り向いて
「うるせーよ」
と睨んで小声で言った。
「今日は…失敗かな?」
春日に聞かれ石田はしばらくためらった後こくんと頷いた。
「量はどのくらい出てました?」
春日は今度は母親の方を見て聞いた。
「300ml弱でした」
その言葉に春日は大きく頷いて
「そうか。300かぁ…多尿型だな」
「タニョウガタ…?」
母親が聞き返す。
「賢太くんは夜中に作られるオシッコの量が多いんですよ」
「はぁ」
「普通は成長とともに夜は作られるオシッコの量が抑制されていきます。
 昼間ほどオシッコが作られない。だからトイレに行かなくとも、
 朝まで持ちこたえるんです」
春日の言葉に母親は頷いて聞いている。
「だけど賢太くんの場合昼間と同じくらいオシッコが
 作られている可能性があります。だから夜中に漏らしてしまうのです」
「…何が原因なんでしょうか?」
「単に成長の遅れといえばそれまでですが、いろんな要因が絡んでると思います」
「成長の遅れ?…こんなに身体大きいのに?」
「身体は大きくても膀胱機能やホルモンバランスの関係が
 まだ未熟なのかもしれません。
 普通は身体の成長とともにそれも成長するのですが
 何らかの原因で未熟なままなんでしょう」
未熟未熟と繰り返し言われた石田の顔は引きつっていた。
「膀胱の状態を診ておきましょう。賢太くん、向こうの部屋に。
 お母さんはこちらで待っていてください」
「何すんだよ」
石田は反抗的な目で春日を見た。
「エコー、超音波検査だよ。膀胱に異常がないか確かめるんだ」
春日の言葉に、石田はしぶしぶ立ち上がって隣の部屋に移った。

「じゃパンツ脱いでそこに寝てもらえるかな」
春日はベッドを指差した。
「え?脱ぐのか?」
石田が聞き返す。
「まぁ膀胱だからね。場所が場所だからなぁ」
春日は笑って答えた。
「…」
「おいおい。男同士だろ。別に恥ずかしがることないじゃないか」
黙りこくった石田を春日が促す。
人前で石田が脱ぎたがらない理由は僕には分かっていた。
なぜなら彼のチンコが重度の短小包茎だったからだ。
ヤツが寝小便をして着替えるのを見ているうちに、
ヤツのチンコがあまりにも小さいことに僕は気がついた。
180cmもある筋肉質の身体にちょこんっと乗っかっているだけの粗チン。
他は大人レベルなのにそこだけ小学生にしか見えない石田のチンコ。
きっと石田にとっては寝小便と同じくらいの機密事項なはずだ。
石田はしばらく躊躇った後、意を決してボクブリを下にずり降ろした。
春日が一瞬意外な顔をしたのを僕は見逃さなかった。
「ん?少し小さめだな」
春日はベッドに寝転がった石田の粗チンを軽く掴んだ。
「な!何すんだ!!」
石田が声を荒げる。
「気を悪くしないでくれよ。
 高校生にしては若干ペニスが未発達だなと思ったんだ。
 もしかしたら膀胱も他の高校生と比べて小さいのかもしれないな」
石田は小さいとか未発達とか言われたくない言葉を次々に言われ、
かといって反論する術もなく歯を食いしばりながら腕で顔を隠した。
股間の上の辺りにゼリー状の何かを塗られ、機器があてがわれる。
もちろん僕はチンコ丸出しで検査される石田の恥ずかしい姿も
スクリーンショットに収めた。

逆転⑫では、春日こどもクリニックに密かに診察にやってきた
石田賢太を邪魔するシーンが出てきますが、
邪魔せずにそのまま診察を受けたという分岐の話を書いてみました。
本編のアナザーストーリーとしてお楽しみください。
tetsuya
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『春日こどもクリニック』
小田市にある夜尿症の権威ある専門医がいる病院で、
全国から患者の問い合わせが引きもきらないらしい。
夜尿症関連の本の出版や論文発表、講演など
小児科医の春日孝はメディアにも時折顔を出す著名人だった。

以上がネットで僕が調べてみた情報だった。
春日孝…メディアで見た記憶はないけど、
画像で見るに結構年配の医師だった。
僕はクリニックの住所を調べ、石田が診察に行く日時を確認した。
石田の父親はあれから素早く手を回したようで、
次の土曜日の朝10時が石田の診察時間に決まっていた。
あのアプリの検索窓にクリニックの住所を入力すると、
建物の外観が表示された。
ぷっ!と僕は思わず噴き出す。
ピンク色の建物、ドアや窓に描かれたゾウさんやウサギさんの絵。
こんな幼稚園児を相手にしたようなクリニックに
石田賢太は一体どんな顔して来るんだろうと思うと可笑しかった。

土曜の朝、僕は早めに起きて石田の部屋を覗いてみた。
石田はまだ眠っていた。今日もきっと寝小便してるんだろうな~
僕は漫画を読みながらアプリを付けっ放しにしていると、
ドアが開いて母親が入ってきた。
「そろそろ起きなさい」
石田の肩を揺り動かす。ヤツはうーーーん…と唸ると、
伸びをして起き上がった。
僕は寝ぼけ眼で布団をめくる石田に注目した。
あっ!
僕は思わず声を出した。
布団が濡れてない…
今日は寝小便しなかったのか。珍しいな…
起き上がった石田がスウェットを脱ぐ。
「あれ?これってもしかして…」
石田が穿いていたのはいつものボクサーブリーフではなかった。
彼の下半身は白く異様に膨らんでいた。
ぷっ!オムツじゃん!!
僕は笑いながら画面を指差した。
なんとあの石田がオムツを穿いている…
画面の中の彼は股間を覗き込みオムツの前を右手で掴んだ。
濡れ具合を確認しているらしい。
「出たのね」
母親が無遠慮に聞いた。
「うるせぇよ」
石田は母親の方を見ずに答えた。
かなり恥ずかしいのだろう。顔が赤くなっている。
しかしあんなにこの前拒んでいたのに何で今日は穿いたんだろうか…
僕は不思議に思って画面を見つめた。
「早く脱ぎなさい。測るから」
母親が促す。
石田がオムツを脱ぐとその内側が真っ黄色になってるのが
画面越しにでもよく分かった。
オムツがくい止めてくれたものの寝小便したことには変わりない。
寧ろ布団に世界地図を描くより恥ずかしいんじゃないだろうか。
「重たいわねぇ」
母親は一言言うとオムツをビニール袋に入れて部屋を出て行った。
石田は何とも言えない複雑な顔でフルチンのままその場にしばらく突っ立っていた。
僕は一旦カメラを止めると、昨日夜から録画していた石田の部屋を再生してみた。
部屋には石田が一人ごろごろしているだけで目立った動きがなかったが、
夜11時、事態が動いた。
風呂から上がった石田の後を追うように母親が部屋に入ってきたのだ。
「賢太。これ」
そう言って母親はオムツを差し出した。
「はァ?」
ベッドに寝っ転がって漫画を読んでいた石田が睨む。
「明日病院なんでしょ。状態を調査しなきゃならないんだって」
「何のことだよ?」
「オシッコがどのくらい出てるのか調べるのよ」
「…」
石田は黙りこくった。
「賢太」
「嫌だよ。そんなの」
石田は頭をまた漫画に戻した。
「春日先生から言われたのよ。事前調査をお願いしますって」
「…」
「賢太!」
母親は少し苛立っていた。
石田は再度振り向くと、
「うるせぇよ!何で高校生にもなってオムツなんかしなきゃならねぇんだよ」
「せっかくお父さんが予約取ってくれたのよ!
 少しは協力しなさい!貴方自身のことじゃない!」
「嫌だ。俺穿かねーし」
母親は呆れたのか、
「あっそ。じゃ好きにしなさい。
 貴方のオネショが治らなくたって別に私は困りはしないから」
母親はオムツをベッドの上に置くと部屋を出て行った。
バタンと重い音がしてドアが閉められる。
しんとなった部屋でしばらく石田は漫画を読んでいたが、
足元にあるオムツに目をやるとしぶしぶそれを手に取った。
白く大きなオムツを見つめ深い溜息をつく石田。
ヤツのプライドからいって相当キツい行為なんだろうな…
石田は結局あきらめたのか穿いていたスウェットとボクブリを脱ぐと、
オムツを広げ下半身に当て始めた。
僕はすかさずスクリーンショットを撮る。
遂に撮った!石田がオムツを着用する姿。
高校生にもなってオムツを着けて寝なきゃならないなんて。
僕はニヤニヤしながら真面目な顔でオムツを着ける石田の恥ずかしい姿を連写した。
初めてのオムツに若干悪戦苦闘しながらなんとかオムツを着けた石田賢太。
オムツの上からスウェットを穿いたその下半身はモコッと膨れてとても不恰好だ。
でも寝小便を治すために仕方なく穿かなければならない。
僕は石田がそのまま眠りにつくのを見届けると、
再生を止め、現在の状態に切り替える。
石田は既に家を出たらしい。
僕は住所を春日こどもクリニックに合わせ、石田がやってくるのを待った。

顔を真っ赤にして俯いた石田は遂に股間を隠したその手を離した。
皆の注目が石田の股間一点に集まる。
最初そこにあるはずのチンコが無いように見えた。
陰毛しかないのかと思えるくらいに。
石田のチンコは重度の短小包茎のため陰毛に埋まり隠れてしまっていた。
それは180cmもある石田の身体にはとても見合わない粗末なモノだった。
横に並んだ子分の川上や斉藤がそれなりに大きいチンコだったため
余計に石田のチンコの小ささが目立った。
「何これ!めっちゃ小っちゃくね!?」
そう鬼の首を取ったように叫んだのは藤川尊だった。
とたんにクラス中に巻き起こる大爆笑。
実は僕は石田が短小包茎であることを知っていた。
石田が寝小便をして着替えているとき、
何かコイツのチンコ小さいなぁと思ったのがきっかけだった。
その後ネットで包茎手術のサイトや
包茎について検索している石田の姿もたびたび見かけていたので、
かなりコンプレックスなんだろうと踏んでいた。
寝小便と短小包茎という二つの大きなコンプレックスを抱えていた石田。
その内のひとつ短小包茎はクラスで晒してやろうと決めていた。
そして寝小便というカードはまだ切らないでこれからも利用しようと考えていた。
「ほら何してんだよ。サボってないで扱いてみろよ!」
さっきまで泣いていたはずの藤川が強い口調で三人に命令する。
三人はその声に弾かれるように自分のチンコをシコシコと扱き始めた。
今までに味わったことのないほどの大きな屈辱からか
時折三人の口から呻きとも溜息ともつかない声が漏れた。
まぁそれも無理はないだろう。
さっきまで奴隷のように扱ってきた奴等から命令され
クラスメイト全員の前で裸を晒し、チンコを扱いているのだ。
教室のボルテージはまだまだ上がり続ける。
今まで虐げられてきた不満と鬱憤が一気に噴出したかのように
三人に浴びせられる罵声の数々。
特に石田に至っては一番罵声が飛んだ。
「おい!短小チンコ!!」
「てゆか全然剥けてないじゃん!!」
「きんも~」
「高校生にもなって何だよそのお子様チンコ!!」
「おいおい!手に隠れて見えないんだけどぉ~超ウケる!!」
石田は顔を真っ赤にし屈辱の表情でチンコを扱いていたが
衆人環視の前で簡単には勃たせられるわけもなくチンコは小さいままだった。
「おい!川上!」
僕は川上の方を向いて言った。
一生懸命勃ちの悪いチンコを扱いていた川上は僕の方を見ると怯えた目をした。
「石田のチンコをくわえてやれ!」
そして川上の耳元に顔を寄せると
「願ったり叶ったりだろ!好きなやつのチンコをしゃぶれるんだから」
僕がニヤッとしながら言うと、川上はくぅっと悔しげな息を吐いた。
「ほら、早く!」
僕は石田の股間の前に川上を促した。
川上はか細い声で上目遣いに
「いっちゃん…ごめん…」
と言うと、石田の小さなチンコをくわえた。
とたんに湧き上がるクラス中の大歓声。
「うわ~キモい!!」
「地獄絵図だな」
「ほらほら!頑張って石田の粗チン勃たせてやれよ!!」
容赦なく浴びせられる罵声。
その時藤川が川上の股間を指差して言った。
「あ!こいつチンコ勃ててる!!」
赤黒い川上のチンコが完全勃起してしまっていた。
「うわ~こいつもしかしてホモじゃね?」
「もしかして喜んでんの?」
「きもいな~」
川上は石田のチンコをフェラしつつ悔しさからかついに涙を流し始めた。
「コイツ泣いてる~」
「やっぱ図星なのか」
「ホ~モ!!ホ~モ!!」
クラス中にホモコールが起こった。
一方咥えられている石田にも変化が起こっていた。
一生懸命我慢していたが、時折小さくあえぎ声が漏れるようになっていたのだ。
「コイツ感じてね?」
藤川が石田を指差して言った。
短小包茎のか弱いチンコは生フェラの強い刺激には耐えられず、
石田は川上の口の中で早くも完全勃起させていた。
「おい、もういいぞ。口を離せ」
僕は頃合を見て川上を石田のチンコから話した。
「あぁ…や…やめて…」
石田の弱々しい懇願も虚しく、完全勃起したチンコが白日の下に晒される。
それは先走りや唾液にまみれてテラテラと光っていた。
「小っちぇぇ…」
誰かが言った。
次の瞬間クラスにまたも大爆笑が起こった。
さっきとほとんど大差ない大きさだったのだ。
普段3cm弱、勃起時5~6cmといったところか…
もちろん勃起しても皮が被ったままである。
いかつい石田の身体と顔には全く似合わない粗チンだった。
「情けねぇ~」
「こんなチンコで今までよく威張れたな~」
「ウチの小学生の弟の方がよっぽど大きいんだけど」
容赦なく浴びせられる罵倒の言葉たち。
「う…う…うぅぅ…」
耐えきれなくなったのかついに石田は声を上げて泣き始めた。
クラスを牛耳り今まで散々悪行の数々を尽くしてきた石田が
とうとう泣いた。
その瞬間、僕の胸の溜飲が凄い勢いで下がっていくのを感じた。
ついに僕は勝ったんだ!
今まで受けたイジメの辛い日々が走馬灯のように僕の頭を流れていき、
いつしか僕の頬に涙が伝っていた。
石田は時折嗚咽を漏らしながら
勃起しててもよく分からない短小チンコをシコシコと扱いていく。
その泣き顔はクラス全体のサディスティックなエネルギーを
更に膨大させていった。
「泣くなよ~短小包茎」
「もうお前のあだ名は今日から短小だかんな!」
「それより早くシコってみせろよ~その情けないチンコ!!」
「し~こ~れ!!し~こ~れ!」
またもやシコれコールが沸き起こる。
その時、昼休み終了を告げるチャイムが鳴った。
上がりに上がり続けた教室内のボルテージもチャイムには敵わない。
石田は全員の前で射精することだけは免れた。
でも今一時的に免れただけで既にクラスのカースト最下層に落ちた
石田はこれからもさまざまな辱めを受けることは容易に予想できた。

その後、川上と斉藤は学校を辞めた。
石田もこうなってしまった以上学校を辞めたかっただろうが、
『辞めたら寝小便のことバラす』と脅し、半ば強制的に学校に来させている。
別に学校を辞めた後でバラされたところで構わないんじゃないかと思ったが
寝小便のことが周りに知れ渡ってしまうのはどうしてもイヤらしい。
僕はもう十分溜飲を下げたので石田に何か命令したりはしないが、
他のクラスメイト、特に酷い目に遭った藤川は執拗に石田に命令し、
裸でオナニーショーなどさせていた。
正直藤川は石田の秘密を知らないし、反抗もできるはずなのだが、
僕が後ろに控えている以上、言うことを聞くしかなかった。
来年年明けすぐにある2泊3日のスキー合宿研修。
僕は必ず参加するように石田に言い渡した。
石田は勘弁してくださいと懇願したが、僕は受け付けなかった。
『来なくてもいいけど来なかったら来れない理由を僕が画像と動画を
 使ってクラス皆に丁寧に説明しとくから』
と言ったら涙目になっていた。
さぁ、ヤツはどんな寝小便対策をしてくるんだろうか?
オムツとか持ってくるのかな?
合宿中に寝小便して皆にバレるのも面白いけどな~

ふとスマホを覗き込んだら、あのアプリが消滅していた。
うん。もう僕には必要ない。
あのおじいさんは何者だったのだろう…
僕は空を見上げた。
澄み渡る初冬の空にふたつみっつ雲がのんびりと泳いでいた。

-終-

突如苦悶の表情を浮かべながら
学生服を脱いでいく石田賢太。
「何考えてんだいっちゃん!!
 何でコイツなんかの言うこと聞くんだよ!」
川上が叫ぶ。
「おい!何考えてんだよてめぇ!!」
斉藤が僕の胸倉を掴み殴ろうとした。
「うるせぇ!黙れ!!」
僕は斉藤の手を払いのけた。
自分でも驚くほどの野太く大きな声に、
昼休みの教室はしーんと静まり返った。
斉藤が驚いた目で僕を見る。
「うぜぇんだよ!子分は引っ込んでろ!!」
僕が吐き捨てると、
「何だとぉ!」
子分と言われてしまった奴のプライドもあるのか、
再度斉藤は凄い形相で僕に迫ってきた。
僕は胸倉を掴まれつつも、斉藤を睨みつけると、
「言って分からないんじゃしょうがないな。
 お前自分のスマホを見てみろよ。俺からのメールが届いてっから」
斉藤は僕の未だかつてない自信に満ちた表情と、
服を脱いでいく石田の行動を見て不安に思ったのだろう。
ポケットからスマホを取り出しメールを確認した。
「!」
スマホを見つめて斉藤が固まった。
それも無理はないだろう。
だってそれは斉藤が相田美紀の体操服を嗅ぎながら
オナニーしている動画だったからだ。
「う…嘘だ…何で…」
斉藤は動揺を隠せずに僕の方を見ると二、三歩後ずさりした。
「どうした?」
川上が斉藤のスマホを覗き込もうとする。
「いや、何でもないっ」
斉藤は慌てた声でスマホをポケットに隠した。
「おい川上ィ!お前にも俺から素敵なメール送ってるから見てみろよ」
僕の挑発に弾かれるように、
川上は慌ててスマホを取り出すとメールを確認し、そして固まった。
川上にはゲイビデオを見ながらフィニッシュしている動画を送ってやった。
そして彼らを黙らせるにはもうそれだけで十分だった。
「もう分かったよね?じゃ君たち子分も全裸になってもらおうかな」
「ち…畜生ッ…」
斉藤が唸るように声を絞り出しゆっくりと学生服を脱ぎ始めた。
「なんで…なんで…なんでなんだ……」
事情が飲み込めず半ばパニックになっている川上は
その場に突っ立ったまま真っ赤な顔で僕を見つめた。
「いいから早く脱ぎなよ」
僕は川上の耳元に寄ると、
小さな声で昨日川上が見ていたゲイビデオのタイトルを呟いた。
川上は怯えた目で僕を見ると、急いで学生服を脱ぎだした。
「あ!ひっさしぶりじゃ…」
その時石田とつるんでいるあのケバい女子二人が教室に入ってきた。
そして今まさに服を脱いでいる三人の姿を見つけると
あっけにとられた表情をしてその場に固まった。
「え…え!?え!?何これ!何!?何で??」
「どうしてなの?何なのコレ!!」
いつも服を脱いでいるはずの僕が服を着て、
服を着てるはずの三人が服を脱いでいる。
逆転したその光景をすぐには理解できないのも無理はない。
キャーキャー喚く二人の高い声が僕の癇に障った。
「うっせーブスども!!黙って見てろ!!」
もう僕には怖いものなどなかった。
今まで散々僕をバカにしてきたこの二人の女子。
僕は彼女たちの前に進むと大声で言い放った。
「化粧しなけりゃすっげーブスなくせにいい気になってんじゃねーよ!
 てめーらみてーなメス豚が一番嫌いなんだよ!!!」
彼女たちは驚いた目で僕を見、そしてその視線を三人に移した。
明らかに異常な状態に今は反抗してはいけないのだと悟ったらしい。
二人は何も言わず後ずさると教室の扉にもたれかかった。
三人はついに下着一枚の姿で教室前に並べられた。
「もちろん。それも脱がないと」
僕はニヤッと笑いながら言った。
「か…勘弁してください…」
石田が小さい声で俯きながら言った。
もうさっきまでのあの眼光鋭い石田はそこにはいなかった。
それは僕が散々スマホで覗いた、寝小便直後の石田の姿だった。
僕が石田に何か言おうとしたとき、教室の後ろから声が聞こえた。
「何言ってんだ!今まで散々酷いことしてきたくせによ」
クラスメイトの誰かが放った言葉だった。
そう。このクラス誰もこの三人に味方する者などいなかったのだ。
「そうだ!」
「脱げよ!!」
「ぬ~げっ!ぬ~げっ!!」
一体どうしてこんな展開になってしまったのか誰も分からないが、
この際日頃の鬱憤を晴らしたいと誰もが思ったのだろう。
最後はクラス全員で脱げコールが起こった。
まずトランクスを脱いだのは斉藤だった。
ポロンと大き目の皮被りチンコが現れる。
とたんにクラス中は湧き上がった。
「きったね~」
「おえっ!!」
「臭そう…」
いろんな声が教室内を飛び交う。斉藤は黙って俯くしかなかった。
次に川上がトランクスを脱ぐ。
川上のチンコはかなり大きかった。
というより高校生とは思えないほど赤黒かった。
毎日のようにゲイビデオ見ながらシコってるせいなのか。
「うわ…きんも~」
「何かやけに黒くない?」
「グロいな~」
教室内に失笑が広がりそれとともにボルテージはどんどん高まっていく。
最後に残された石田。
石田だけは金持ちらしくお洒落なボクサーブリーフだったが、
彼はなかなかそれを脱ごうとしなかった。
「何してんだよ。早くしろよ」
僕はそう言うと再度石田に向かって
『ね・しょ・ん・べ・ん』と声を出さず呟いてみた。
それはまるで魔法の言葉のように石田を突き動かす。
よっぽど知られたくない最重要機密事項なんだろう。
僕は心底馬鹿にした笑いを浮かべながら石田がボクブリを脱ぐのを見ていた。
半分までずり降ろすと、チンコが見えないよう両手を股間に当て、
両足だけでボクブリを器用にずらして脱いだ。
「手!手どけろよ!!」
すかさず野次が飛ぶ。
それでも石田は手をどけようとしない。
「それだけは…勘弁してください…」
僕に向かって汗をかきかき懇願する石田。
180cmもある体躯がやけにちっちゃく見えた。
「僕は勘弁してやってもいいけど…皆はどうかなぁ?」
僕は教室の後ろを振り返った。
「勘弁するわけねーだろ!!」
「早くチンコ見せろよ!」
口々に怒号が飛ぶ。
「どうやらダメみたいだよ。いしだけんたちゃん!」
僕は石田の方を向き思いっきり茶化した声で言った。
そして今度は
『春日こどもクリニック~♪』
と小さく声に出して言ってみた。
その瞬間石田の顔が歪む。
石田は下を向き、うぅ…うぅ…と唸り声の混じった
荒い息を吐きながら両手を静かにどけた。
クラス中の視線が石田の股間に集まった。

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